子どもとの接し方

気を付けたい言葉かけNGワード4選

我が子の成長に喜び、思い通りにいかなくて怒り、そんな自分に自己嫌悪になってしまったりと子どもを育てていく中では様々な感情がうまれますよね。今回はその中でも”怒り”という感情にフォーカスして考えていきます。

あなたは怒った時、子どもに対してどんな言葉をかけ、どのような態度で接しているでしょうか?

そしてそれは、どんな原因で怒っていますか?

このページでは、感情的になってしまった時の対処法と、その場合の子どもに対してとるべき姿などをご紹介していきます。

子どもに良くない!NGワード4選

「急いで」「早く」

時間に追われている時や余裕のない時、子どもの準備が遅かったり、ご飯を食べるのが遅かったりすると、ついつい言ってしまっている親がおおいのではないでしょうか?

言ってしまいがちな言葉ですが上記の言葉かけをして、うまくいった例は少ないはずです。

なぜなら、『急いで』『早くして』のこれらの言葉だけでは”何を” ”いつまでに” 急げばいいのかがわからないので、子どもにはとてもわかりにくい指示になってしまい具体性に欠けています

「7時までに片付けよう」「あと30分で家を出るから、それまでに支度をしてね」のように、やる事と、時間を入れた具体的な言葉かけを目指しましょう。

もし時間に猶予がないのであれば、やらなければいけないことを1つずつ伝えていきます。

「顔を洗って、歯を磨いたら、靴下はいて、リュック背負っておいて」

上の声かけではやることが4つも入っています。年齢や子どもの能力にもよりますが、指示が多すぎると全てをこなせないため、何回も同じ声かけをしなければいけないので倍の労力がかかってしまいます。なので、

「顔を洗おうね」「終わったなら歯磨きしよう」「靴下はいてないから履いてね」「リュック背負おう」

のように1つ終わってから次のやる事を促すように心がけます。

子どもによって何個までこなせるか違ってくるので、その子にあった数の指示を伝えてあげましょう。

「どうして出来ないの?」

ある程度のことが子ども自身でできるようになってくると、『これも出来るだろう』とどこかで大きな期待をかけてしまいがちです。

「もう上手にコップで飲めるだろう」「トイレの失敗はないだろう」「料理をテーブルまで運んでもらおう」

しかし、相手は子どもですからそう上手くいくはずもなく『なんで出来ないの!』と期待を裏切られたような気分になって、うまく出来なかった子どもに対して気持ちをぶつけたりしていませんか?

その感情をぶつけられた子どもは自信をなくし、次の新しいチャレンジに対しても「また失敗したら怒られる」と植えつけられるため消極的になってしまいます。仮にチャレンジしたとしても、「失敗したら…」と考えていては全力を出せませんよね。

これを繰り返すことにより『自分には何もできないんだ』というマインドができあがってしまい、自己肯定感の低い子になっていきます。

小さい頃から染みついた自信の無さは大人になってからも受験や就活、人間関係の構築など様々なことに影響していきます。自己肯定感が高ければ、自分ならできる!やってみよう!と困難に立ち向かうパワーも必然的に高くなります。

過度な期待をかけすぎず、失敗を責めずに「また頑張ろう!次はこうしてみようね」と反省を生かしながら新しいステップに進むための手助けをしてあげましょう。

「○○才なのに」 「○○年生でしょ」「お兄ちゃんだから」

『4才なのに食べこぼしが多い!』『もう3年生なのに宿題を忘れたの?』『お姉ちゃんなんだから我慢しなさい』

これらに共通するのが年齢や立場を一括りにして考え、”みんなが出来て当たり前、して当たり前”と思っていることです。

『4才はこぼさず食べて当たり前』『3年生は普通忘れ物をしない』『お姉さんの方が年上だから我慢できる』

大人でも同じ歳、同じ立場だからといって能力まで同じとは限りませんよね。

Aさんは泳ぐのが得意だけど、忘れん坊。Bさんは計算が得意だけど、泳げない。Cさんは暗記が得意だけど、計算は苦手。

こんな風に、誰かにとっては得意分野であり苦手分野です。全体を見回して出来てる子だけをみていれば、不思議とみんなが何でも出来ているように感じてしまいます。

自分の子を見るときは出来ていない所をみて、周りを見るときには出来ている所をみていませんか?

比べていないつもりでも、同年代の子や、周りの同じ立場の子をみて、自分の中での出来て当たり前が作られ知らず知らずのうちに比較していることがあります。

”何才だから” ”お兄ちゃんだから”ではなく、その子個人として考えることを意識しましょう。

「あなたは悪い子」「ダメな子」

子どもとは大人が想像もしないような予想外の行動をします。その中でも、悪いことをしてしまったり、イタズラをした時、人を傷つけるなどのあまりよくない行動をとった時に使ってしまう親が多いのではないでしょうか。

やはり親としては見過ごすわけにはいきませんし、なにかしらの声かけはしますよね。

ですが上記のワードは、行動を否定しているのではなく、その子そのものを否定する言葉です。

叱るのがよくない、という訳ではなく、咎めるべきはその”行動”であり”人格、個人”を否定すべきではありません。

例えば、「わざとお皿を割るなんて悪い子だ」「まだ宿題やってないの?ダメな子ね」という声かけでは、

最後の「悪い子、ダメな子」が全ての原因であり、あなたそのものがダメ。と感じてしまいます。

このような言葉をかけ続けてしまうと、自分は価値のない人間、○○も出来ないダメな子なんだ。と行為に対しての反省ではなく、自分自身に存在価値はないと卑下してしまいます。

「お皿を割ることは危ないし良くないからやめようね。」「宿題はやらなきゃいけないことだから、明日からは先にやっておけば楽になるね」

のように、伝える時は子ども自身の否定ではなく、行動に対しての注意を心がけましょう。

行動の妨げになる原因の排除

「ご飯を食べるのが遅い」「宿題が進まない」「支度が終わらない」など、つい注意したくなる場面は色々あるでしょうが、よく観察していくとなにかが原因になっていたりします。

例えば、「”テレビに夢中で”ご飯を食べるのが遅い」「”机の上に勉強とは関係のない物も出ていて集中できず”宿題が進まない」「”オモチャが散乱しているので移動のたびに手が止まってしまい”支度が終わらない」のように環境が整っていない場合、本来のやるべきことを忘れて他の物事に意識がいってしまいがちです。

なので、まずは注意や言葉かけをする前に、環境を整えることから始めるとお互いに無駄なストレスがかからず気持ちよく過ごせますね。

怒るではなく叱る

皆さんは子育てをしている時、どんな場面で子どもに怒っているでしょうか。

実はほとんどの場合は、親の都合により感情をぶつけている『怒る』であることの方が多いです。

例えば、出かける直前にお茶をこぼす⇒イライラする、または気持ちをぶつける

この場合、親の気持ちは、「面倒くさい、時間がないのに、なんでこんな時に」という気持ちが大半ではないでしょうか。その怒りは、”手間を増やされた、タイミングが悪い”という自分勝手で感情的なものです。

【怒る】不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。

【叱る】目下の者のよくない点などを指摘して、強くとがめる。

goo辞書

辞書にもあるように【怒る】と【叱る】は似ているようで、全く違うものなのです。

感情的に怒り続けられた場合、親を怒らせないように行動するので人の顔色を伺うようになり、親を見本にお友達や兄妹などにも同じく感情的に当たるようになってしまいます。

基本的に叱るとは、責任を持って育てているその子に対してこれは伝えておかなければいけない!と思えるようなことです。危ない行為、人を傷つけてはいけない等の道徳的なものや、法律的なことなど色々ありますね。

もし四六時中声を荒げてしまっている方は、怒る前に一呼吸おいて、これは叱るためなのか、怒りをぶつけるためなのか、自分の心に一度聞いてみましょう。

でも、頭では怒るのが良くないとわかっているけど我慢できない、なんて日もありますよね。

心も体も疲れていては感情をコントロールするのも難しいです。

親だって一人の人間ですから、自分を少し休ませてあげるのも忘れないでくださいね。